般若心経とはお釈迦様の教えを文字化した経典。やがて、般若心経の文字一つひとつがお釈迦様であると信仰されるようになりました。般若心経を書くことはお釈迦様と一体になること。理解できなくてもよいので、とにかく書いてみましょう。


写経の効果

・集中力が高まる

写経は字の上手い・下手よりも、一字ずつ丁寧に書くことが大切です。字のトメ・ハネ・ハライなど、丁寧に字を書く作業を続けていると、自然と集中力が高まります。尚、なぞり書きと自筆に大きな差はありません。むしろ視線をあまり動かさないなぞり書きの方が、集中しやすいかもしれません。

・心が穏やかになる

般若心経の意味が分からなくてもとにかく書くという作業は、仏教の修行と本質は同じです。深い信仰心がなくてもお釈迦様の力をお借りしていることになり、心がとても穏やかになるでしょう。それが写経の功徳です。

・ストレス解消

 

人により異なりますが、般若心経の全文を書く時間は概ね1〜2時間ほど。スマホの新着通知など、常に情報が飛び込む現代人にとって、これほど静かに過ごす機会はなかなか得られません。頭の中がリセットでき、新鮮な気持ちになれます。


写経用紙と筆記具

写経は写経紙と呼ばれる般若心経専用の用紙と、筆などの筆記具が必要です。価格も数百円から高価なものまで様々ですが、初心者の人は写経紙とペンがセットになったものがおすすめです。

・なぞり書き写経紙

般若心経の全文が薄く印字されているタイプの写経紙です。文字どおり経文の上からなぞり書くことで写経ができます。字を書くのが苦手という方におすすめです。なぞるだけとは言え、印字された字と同じ字を書くのは難しいもの。トメ・ハネ・ハライなどを意識してていねいに書きましょう。

・罫線のみ写経紙

いわゆる原稿用紙と同じ、写経紙の書式に合わせて罫線が引いてあるだけの写経紙です。般若心経を全て自分の字で一字ずつ書写します。書道などで字を書き慣れた方や、なぞり書きを卒業したい人におすすめです。

普通紙に近い写経紙や、高級感のある奉書紙製写経紙などがあります。

 

尚、写経の枚数に決まりはありません。まずなぞり書きで始めて書き慣れたら自筆にするなど、その時の自分に合わせて選んでもよいでしょう。

左)なぞり書き写経紙、右)罫線のみ写経紙(新訂 般若心経写経紙より)
左)なぞり書き写経紙、右)罫線のみ写経紙(新訂 般若心経写経紙より)

・毛筆と筆ペン

日本では千年以上も昔から行われてきた行われてきた写経。毛筆で書かれた般若心経は、それだけで長い歴史を感じさせる印象を受けます。しかし、幅の細い行に毛筆で細かい字を書くのは難しいもの。書道に慣れた人でないと敷居が高く感じます。

 

そこでお勧めしたいのが筆ペン。毛筆のような字を書くことができ、しかも気軽に使えます。尚、筆ペンを選ぶ際は、なるべく筆先が毛を束ねたタイプを選びましょう。より毛筆に近い字を書くことができます。

毛先を束ねた筆ペン(新訂 はじめての写経 付録)
毛先を束ねた筆ペン(新訂 はじめての写経 付録)

写経の書き方

写経には古くから用いられてきた書式がありますので、決められた構成に沿って写経を行いましょう。誤字脱字などの間違いがあっても、最初から書き直す必要はありません。字や行を書き間違えた場合は、あわてず校正を行って、写経を完成させましょう。


書き終えた写経紙について

書き終えた写経紙はお寺にお納めすることができます。お経をお寺にお納めすることを納経といい、納経はご本尊様に願いを届けることであり、お納めした方とご本尊様とご縁が結ばれるということでもあります。

納経するお寺は菩提寺の他、希望のお寺など納める方の自由です。納めたいお寺様に問合せてからの方が良いでしょう。

尚、リンケージワークスの写経シリーズは、観蔵院にお納めすることができます。お経はご本尊様にお供えし、ご祈祷・ご供養いたします。納経の証として観蔵院より御朱印(印刷物)が授与されます。